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残業代請求の重要ポイント

残業代請求について当事務所にご相談いただいた場合には、丁寧に分かりやすく説明いたしますので、事前に残業代請求について詳しく知っておいていただく必要はありません。

もっとも、弁護士に相談するかどうかは決めていないけれども、まずは残業代請求について知りたいという方もいらっしゃると思いますので、残業代請求についてのポイントを以下にまとめましたのでご参考にして下さい。

残業代請求にあたっての重要ポイント
・1日8時間又は週40時間を超える労働は残業代が発生します!
・2年分の残業代が請求可能です!
・残業代は時間当たりの給料が割増しされます!
・残業代の2倍の金額を請求できることも!
・未払い残業代には遅延利息が発生します!
・残業時間の切り捨ては許されません!
・在職中でも退職後でも残業代は請求できます!
・残業代の発生は業種や会社の規模とは関係がありません!
・解雇された後でも残業代は請求できます!
・残業代を支払わないという合意は無効です!

1日8時間又は週40時間を超える労働は残業代が発生します!

労働時間は原則として1日8時間、週40時間が上限です。そのため、1日8時間又は週40時間を超えて働いた場合、あなたは会社に対して残業代の支払いを請求することができるのです。

2年分の残業代が請求可能です!

あなたは過去2年分に遡って未払いの残業代の支払いを会社に請求することができます。しかし、残業代の請求権は2年で時効消滅し、会社は2年より前の分の残業代の支払いを拒めますので、残業代の請求は速やかに行わなければなりません。

残業代は時間当たりの給料が割増しされます!

残業代については、通常の時間外労働は2割5分、夜10時から朝5時までの深夜労働は2割5分、週1日又は4週で4日の法定休日の労働は3割5分、それぞれ賃金が割り増しされます。深夜労働の割増は、時間外・休日労働の割増と重複して適用されます。

時間外労働 25%
深夜労働 25%
休日労働 35%
時間外+深夜労働 50%
休日+深夜労働 60%

残業代の2倍の金額を請求できることも!

裁判所は、付加金という残業代と同額の金銭の支払いを会社に命じることができます。付加金の支払いを命じるかどうかは裁判所の裁量になりますが、残業代の未払いが悪質であるようなときは、残業代の2倍の金額を請求できることもあるのです。

未払い残業代には遅延利息が発生します!

会社が残業代を支払わなかった場合、本来支払うべき給料日から年6%の遅延利息を請求することができます。退職時に未払いの残業代があった場合は、請求できる遅延利息は年14.6%に上がります。
残業代が大きい金額の場合には、遅延利息だけでかなりの金額になるということもあります。

残業時間の切り捨ては許されません!

時間外に労働すれば、たとえ1分でも残業です。15分、30分など一定時間未満の残業時間を切り捨てるような取り扱いは許されません。例外として、1か月の残業時間の合計に1時間未満の端数があった場合に、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げることは許されると解されています。

在職中でも退職後でも残業代は請求できます!

残業代は在職中も退職後も請求することができます。
在職中の残業代請求は、会社との雇用関係に何か影響が生じるのではないかとご心配される方も多いのですが、残業代の請求は当然の権利ですので、残業代を請求されたことを理由として会社が解雇などの不利益な処分をなすことは許されません。

もちろん、在職中の方の残業代を請求する際には、会社の理解を得て円満に支払いがなされるように配慮いたします。
・退職後の残業代請求については、将来的な会社との関係に対する配慮はあまり必要ありませんが、必要な証拠資料を集めにくい場合もあります。
・任意での開示に応じてもらえれば、交渉で解決を目指しますが、会社が関連する資料を開示しない場合には、裁判手続きを利用して証拠の確保を図ることができますので、ご安心ください。

残業代の発生は業種や会社の規模とは関係ありません!

残業代はどの業種でも会社規模にかかわらず発生します。残業代なしの長時間労働が業界の当然の慣行のように言われたり、小規模な会社だから残業代は出ないと当たり前のように説明されたりすることは少なくありませんが、このようなことは全くありません。

残業したことに対しては、きちんと正当な残業代を支払ってもらいましょう!!

解雇された後でも残業代は請求できます!

解雇された後であっても、元の会社に対して残業代を請求することができます。解雇をきっかけとして、会社に対して権利を主張する心理的抵抗がなくなるため、解雇後に残業代を請求することはよく見られる事案といえます。

また、解雇が不当である場合には、残業代を請求するとともに、解雇の撤回を求めたり、解雇の無効を主張していくことも検討する必要があります。残業代請求以外の不当解雇や懲戒解雇などの問題を抱えていらっしゃる方も、お気軽に当事務所までご相談下さい。

残業代を支払わないという合意は無効です!

残業代の支払いは、法律に定められた会社の義務です。たとえあなたが、会社が残業代を支払わないことや、あなたが会社に残業代を請求しないことについて、口頭や書面で同意していたとしても、そのような合意には効力がありません。過去の裁判でも、残業代の不支給や不請求の合意は、労働基準法や公序良俗に反して無効だと判断されています。

このような場合でも残業代は請求できます!

次のような場合でも残業代は請求できます。
・管理職であることを理由に残業代が支払われないが、管理職としての実態を伴っていない場合
・残業手当が固定額で支給されているが、実際の残業時間は固定手当分を超過している場合
・残業代なしの年俸制により雇用されている場合

平成20年度は18万人に合計196億円の未払い残業代が支払われた!

厚生労働省の発表によれば、平成20年度に労働基準監督署の指導による未払い残業代の支払い状況は、企業数1,553社、総額196億1,351万円、労働者数180,730人となっています。

これは全国の労働基準監督署の指導により是正されたものだけの数字ですから、労働基準監督署が関与しない未払い残業代請求の事案はこれよりずっと規模が大きくなるでしょう。未払い残業代の請求は、あなただけが抱える問題ではないのです。

こんな場合もあきらめないで!

1日8時間又は週40時間以上働いても残業代が発生しない例外的な場合として次のようなものがあります。
・管理監督者として雇用されている
・変形労働時間制で雇用されている
・フレックスタイム制で雇用されている
・事業場外みなし労働時間制で雇用されている
・裁量労働制で雇用されている
・週の法定労働時間の特例(週44時間)が適用される業種・会社規模である

もっともこうした制度が形式的には取られているものの、実質は伴っていないということもあります。典型的な例としては、いわゆる名ばかり店長(管理監督者としての実質がないのに管理監督者として残業代を支払わなかった)問題がありますが、上記の制度が取られていたとしても残業代を請求できる可能性がありますので、少しでも疑問を感じたら、あきらめずにまずは一度ご相談下さい。


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