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先物取引で被害にあったら

商品先物取引は、証拠金取引の一種で、一定額の保証金を預けることによって、その保証金の何十倍もの取引をすることができる投機商品です。この仕組みのため、わずかの値動きによって大きな利益が出たり大きな損をしたり、ハイリスクハイリターンの投機商品なのです。

ほとんどの場合には、その仕組みについてきちんと説明されず、ただ「儲かりますよ」という部分だけを強調し、取引を強引に進められることも多く、本人は大きな損をして初めてことの重大さに気づくことになります。

素人にこのように危険な投機商品を売りつけること自体が問題であり、説明義務違反等の理由で被った損害を取り戻すことができる場合があります。

どんな場合に違法となるのか?

1.適合性義務違反
知識,経験,財産の状況,契約を締結する目的などから、不適当と認められる者を先物取引に勧誘することを禁止しています。

先物取引は,極めてハイリスクの取引です。
そのため、今まで株などの投資経験の全くない方や資産に余裕のない方などは,本来先物取引のようなハイリスクな取引を行うのに不適当な方といえます。

このような方を先物取引に勧誘することは違法とされているのです。
特に,先物取引会社は,取引未経験者に対しては「新規委託者保護義務」というのが課されており,取引未経験者に取引の始めから多額の投資をさせたような場合には,違法性が認められやすくなります。

2.説明義務違反,断定的判断の提供
商品先物取引業者は,本来,取引を勧誘するにあたって,顧客に取引のしくみやそのリスクについてきちんと説明しなければならない義務を負っています。

しかし,多くの業者は,一般の消費者に取引の勧誘を行う場合,先物取引のリスクをきちんと説明せず,むしろ,「必ず儲かります」などと儲かるような話ばかりをし,きちんとした説明もせず,また,法律に定められている説明内容も十分に説明しないことが多いのです。

このように,「必ず儲かる」などと言って勧誘することは,「断定的判断の提供」であり、違法になりますし,先物取引のリスクやしくみをきちんと説明しないで取引の勧誘を行うことも「説明義務違反」であり違法になります。

違法な取引と認定された場合,損害賠償が認められるのか?

違法性のある勧誘行為や取引行為の事実が認められる場合には,その取引にかかる一連の取引が不法行為にあたるので,証拠金として拠出した金額や慰謝料,弁護士費用などを損害賠償として請求できます。

ただし,委託者側にも先物取引を始めたことについて過失が認定されることが多く,この場合は過失相殺によって賠償額が減らされてしまうこともあります。

法的解決方法

法的解決に至るまでの手順は,以下のような流れとなります。

1.手仕舞いをしていない場合
ご相談の上で、手仕舞いの内容証明を相手方に出します。
商品取引員に違法行為がある場合が多いので,まずは手仕舞いをすることをお勧めしています。

2.取引の分析
次に,口座開設申込書,売買報告書,残高照合通知書などのお手元にある資料を分析させていただき,また,取引に至る詳しい事情をお聞かせいただき,商品取引員の行為に違法性はないかを判断いたします。

3.内容証明の発送,交渉
商品取引員の行為の違法性の特定ができたところで,通常は,先物会社に損害賠償を請求する内容証明を発送いたします。
そして,その後,先物会社の担当者と交渉するなどして,解決に至る事例もあります。

4.訴訟
交渉でまとまらない場合には,裁判の手続きを行います。
その他にも、あっせん手続きや調停手続きがありますので、事案によってご相談の上で方針を決定いたします。

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