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普通解雇について

本人に解雇理由があるとする解雇を、普通解雇といいます。

「仕事上のミスが多い」「遅刻が目立つ」「協調性がない」などが解雇の理由としてよく挙げられますが、これらは就業規則に記載されている「普通解雇の事由」に当てはまらないことが多いです。

本当は経営上の問題が原因なのに、こうした理由を挙げて無理やり労働者の責任にし、整理解雇の規制から逃れようとする会社が多いのが実情です。

いずれにしても、解雇するには正当で合理的な理由が必要なのは、言うまでもありません。

就業規則を確かめよう

まず、会社のいう解雇理由が事実であるかどうか、たとえ事実であったとしても解雇理由に当たるかどうか、就業規則に照らし合わせてその根拠を示してもらいましょう。

就業規則には、必ず「退職に関する事項」という項目があり、どんな場合に退職や解雇になるかという基準が明記されているはずです。

解雇は、就業規則に書いてある項目に該当する場合にのみ認められるのであって、それ以外の理由によるものは無効となります。

また、たとえ該当する項目があったとしても、解雇しなければならないほどの理由といえるか、という問題もあります。

この場合、これまでの慣例を調べてみることも有効です。

自分に落ち度がある場合でも、果たして解雇理由としてに相当かどうかは別問題です。

減給などの軽い処分で十分な場合もあります。

「クビになってもしかたがない」などと、勝手に思い込まないことが大切です。

整理解雇について

不況による経営悪化など会社の事情を理由とする解雇を整理解雇とよびます。
この整理解雇については、弁護士への労働相談で多い分野のうちの一つです。
経営悪化は、本来労働者が責任を負うものではありません。
そのため、整理解雇を行なう場合には「整理解雇の4要件」という、ほかの解雇よりも厳しい基準が設けられています。

整理解雇の4要件

1.人員削減の必要性
どうしても人員削減をしなければならない必要性があることです。
現在の差し迫った必要性がない場合や、将来の危機を回避する為の解雇や、経営の合理化のための解雇は認められません。

2.解雇回避の努力
新規採用の中止、希望退職者の募集、一時帰休の実施、配置転換など、解雇を避けるための手段を十分に講じていることです。
つまり、解雇以外の手段を検討・実施し、それでもなお解雇以外の手段によることができない場合に、始めて解雇が認められるということです。
経費削減、役員報酬カットなどといった、再建の為の経営施策の措置がとられたかどうかも問題になります。

3.人選の合理性
解雇対象者の選定基準およびその運用は、公正で合理的なものになっていなければなりません。
勤務評価や会社に対する貢献度を規準とする場合には、少なくとも次の条件が要求されます。
(1)客観的基準であること・客観的な資料が存在すること
(2)評価者の主観に左右されない公平な査定であること
(3)全社的・全従業員を対象にしたものであること

4.労働者に対する説明、労働者との協議
解雇の必要性や、規模・方法・整理基準について、労働者に十分説明し、納得を得るよう協議を尽くしていることです。
上記の4つの要件は、一つでも欠けていれば整理解雇が無効になるというよりは、整理解雇が解雇権の濫用に該当するか否かを検討するための事情といえます。

懲戒解雇について

懲戒解雇は解雇の一種であると同時に、懲戒処分の一種でもあります。
懲戒処分とは、労働者が会社の秩序に反する行為をしたことに対して、会社が下す制裁罰のことです。

他には、謹慎・減給・出勤停止などの種類があり、その中でも最も重い処分が懲戒処分です。 処分の内容そのものは、法律で定められておらず、それぞれの企業の就業規則で定められることになっています。 労働法第89条では、懲戒処分の種類や程度を就業規則に定めるように義務付けています。 また、懲戒処分を規定する場合、及び適用する場合には、以下のルールを守らなければなりません。

1.懲戒事由や処分の内容を明示すること 2.全ての労働者を平等に取り扱うこと 3.一つの違反行為に対して、2回以上の処分はできない。 4.懲戒規定で定められる以前の違反行為に対しては適用できない。 5.懲戒の対象は、違反行為を行なった当人に限られる。 6.処分の種類や程度の客観的な妥当性 7.手続きの妥当性、当人に弁明の機会を与えること など。

「解雇」以外の軽い処分で済ませることができないか

会社側の業務命令を拒否して、懲戒解雇を通告されたような場合には、何を理由として懲戒解雇とするのか文章での提出を求めましょう。
解雇の理由が就業規則にない場合や、上記のルールを守ってない場合は、不当な解雇処分であることを主張し、撤回を求めます。
仮に懲戒に値するような行為があったとしても、懲戒の目的は「企業秩序の維持」であるため、「解雇」以外の軽い処分でもその目的を達成できる場合もあります。
その場合には、会社に対し、「解雇」以外の軽い処分を求めます。

懲戒解雇されたら、解雇予告手当はもらえないか

懲戒解雇だと即時解雇になり、解雇予告手当ももらえないと思っている人が多いようですが、これは間違いです。
解雇予告手当に関してはこちらをご覧下さい。
即時解雇の場合でも、会社が解雇予告手当を支払わないで済ます為には、労働基準監督署の「解雇予告除外認定」を受けなければなりません。
これは、よほど重大で悪質な行為が、労働者側に認められた場合に限られています。


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